私にとって服の事を考えていく事は、服が持つ力を考えていく事です。服が持つ力を考えていく事は、服の作り手が持つ力を考えていく事です。服の作り手が持つ力を考えていく事は、人間の創造力を考えていく事です。
服が持つ力を考えていく事は、服に用いられている素材 ー動物の毛や革、植物の繊維ー が持つ力を考えていく事です。素材が持つ力を考えていく事は、動植物の偉大を考えていく事です。動植物の偉大を考えていく事は、人間の感謝する力 ー想像力ー を考えていく事です。
現時点での私個人の狭い偏見から、私はすべての服に同様の力があるとは考えていません。大商業時代の現代では、死んだまま生まれてくるような服も少なくないと考えています。無数の死んだような服たちをすべて追っていくほど私には時間がありません。その為、私は活きた服、生きている服、美しい服たちが持つ力を考えていきたいと思います。私がここで今まで追ってきた、そしてこれからも追っていくのは過去に点在する少数の無銘の美しい服たちです。
1940's British Military Work Jacket : LILY1ST VINTAGE
Stockist : trunk >>> http://trunk-fukuoka.strikingly.com
Photograph : Hiroyuki Nakanishi >>> http://nakanishihiroyuki.com