Tuesday 19 September 2017

Beautiful People

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フランス、イギリスへの旅から帰国しました。プライベートや仕事でフランスに通い始めておよそ14年ほど経ちますが、この国を訪れるといつも刺激を受け憧れを抱いてしまうは、彼等の立ち姿であり、歩く所作です。私は小柄で、子供の頃には自分の身長に対して少なからず劣等感のようなものを抱いてきたものでした。しかしフランスで目にしたのは、自分などよりも小柄の初老の紳士の何とも美しく、身長の低さなど全く感じさせない格好良い姿でした。その時、私の抱いていたつまらない劣等感は向こう30年で達成すべき積極的な目標に転換されました。当時から数えると、タイムリミットは残り16年。。。

それは膝下のさばき方であり、肩甲骨から上の緊張感であり、歩幅の大きさであり、歩く速度であり、肩で風を切るのではない嫌みの無さであり、一連の動作を支えている体幹の太さであり、恐らくは個々人が大なり小なり築いている精神的な哲学の太さであると思います。彼等を眺めて、彼等と話し、彼等を食卓を共にし、彼等と遊ぶ事で少しずつですが自分なりにそれが分かってきました。また外側ばかりを眺めていた眼を内側に向け返してみる事で、日本にも自らの所作を美しくしていく為の訓練やスパルタが伝統的に存在している事を初めて認識しています。美しい伝統を過去の美しい日本人が築いてきたのだ ー茶道、華道、書道、武道などの美しい集合知ー という事実をもっと知っていきたいと思うこの頃です。自国を含め様々な時空を見つめて認識を重ねていく事で、向こう30年をかけてフランス人の真似事ではない自分自身の姿勢であり、眼差しを築いていきたいものです。





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Stockist : INSIDE MY GLASS DOORS >>> https://www.insidemyglassdoors.com
Photograph : Hiroyuki Nakanishi >>> http://nakanishihiroyuki.com