Tuesday 21 August 2018

Not Hypothesis

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ワークウェアがワークウェアとしてか見られない事、ミリタリーウェアがミリタリーウェアとしてしか見られない事、どんなに素晴らしい服もそれが古着だという理由で古着としてしか見られない文化はまだまだ根強い。まだまだ古着やビンテージはコアな世界という一般的なイメージを振り切る事ができないでいる気がします。分かる人だけに分かれば良いという世界観だ。どうしたら狭い世界に閉鎖された古着を解放していく事ができるのだろう。過去にはこんなに素敵な服たちが点在して眠っているのに。過去に点在している美しい服は私などの只のつまらない個人の主観などどこまでも超えていく力があるのに。





















Style
Coat : LILY1ST VINTAGE
Inner Jacket : LILY1ST VINTAGE
Shirt : Maison Martin Margiela
Trousers : KNITOLOGY
Sandal : LILY1ST VINTAGE
















取り外し可能なアンブレラヨーク付き仕様。









今日は1930ー1940年代フランスのブラウンダックハンティングコートをご紹介します。深い傾斜のあるラグランスリーブは現代の視点で見ても洗練性があり美しいシルエットを生んでいます。非常に古いワークウェアのディティールであるチンストラップは防風性を高めるために備えられ、袖にもベルテッドデザインが採用された特別な仕様。ハンティングやアウトドア向けのパンツのディティールとしてダブルニーという膝の布が二重構造になっているものが存在していますが、このコートの肘領域は同じく二重構造となっており、ダブルーニーならぬダブルーエルボーと言った珍しいディティールも。当時のカントリージェントルマンによるビスポークと推測される1着。織り密度の高いダック地は防風性に優れており、インナーとの組み合わせによって秋口から冬にかけて着方を変える事ができ、超アナログなアウターながら、現代アウターとしても秀逸な機能を備えている点も魅力。およそ80年という時間による淘汰に耐え抜いており、デザイン強度、機能的強度、物質的強度としての普遍性を十分に持っている事を証明する逸品です。



1930-1940's French Brown Duck Hunting Coat : LILY1ST VINTAGE
Stockist : INSIDE MY GLASS DOORS >>> https://www.insidemyglassdoors.com
Photograph : Hiroyuki Nakanishi >>> http://nakanishihiroyuki.com