デザイナーの主観、表現、感情といった要素が一切排除された純粋な機能服であり、造形や装飾が極小化されたワークウェアやミリタリーウェアは、きっと向こう数十年という時間にも力強く耐えていくデザイン強度があります。

もしもいつの日か服にもモダンデザイン、インターナショナルデザインという概念が生まれていくとすれば、それはワークウェアやミリタリーウェアから多く発見できるのではないだろうかと私は信じます。



1960's Dead Stock French Military Canvas Balmacaan Coat : LILY1ST VINTAGE
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Style
Coat : LILY1ST VINTAGE
Shirt : Maison Martin Margiela
Pants : Maison Martin Margiela
Sneaker : CONVERSE

毎年異常気象だ異常気象だと叫ばれている『これからの新しい夏』には、２０００年代後半〜２０１０年代のイギリス軍ロイヤルアーミーのスポーツサンダルをご提案したいと思います。

レザー×ナイロン×ゴムによるミニマルながらも素材とカラーバランスの組み合わせが秀逸で、スポーツとミリタリーの融合域が見事に実現されたモデルです。決して名前が表には出ませんが、きっと優秀なプロダクトデザイナーによる設計なのでしょうね。近年のモデルには、８０年代以前には生まれ得なかった、テクノロジーの介入で生まれた良品、隠れた名品が点在しています。着用者のスタイルによってカジュアルウェアにもドレスウェアにもミックスできるギリギリのバランスが魅力。今の季節〜秋口にかけてお勧めです。



2000-2010's British Royal Army Trainer Sandal : LILY1ST VINTAGE
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Style
Coat : LILY1ST VINTAGE
Shirt : Maison Martin Margiela
Trousers : KNITOLOGY
Socks : MUJI
Sandal : LILY1ST VINTAGE

今週より東京はＵＮＩＴＥＤ　ＡＲＲＯＷＳ原宿本店からＬＩＬＹ１ＳＴ　ＶＩＮＴＡＧＥ　２０１８年第２回目の春夏セレクションの販売が始まりました。私たちは過去の美しい服をヴィンテージ、ユーロヴィンテージ、古着という根強く狭い固定概念から解放できるようなセレクションを地道にご提案していきたい考えです。過去に点在するアノニマスデザインの服の魅力はそれぞれ貴重であるだけではなく、何世代に渡る人々の審美眼にも通用し得る優れた形と素材を備え、また現代人の視座を十分に投影できる器　ー余白と言っても良いー　の大きさを持っているポテンシャルの部分からも見出す事ができます。今まで古着やヴィンテージに触れてこなかった方にもこの服たちお楽しみ頂ける事を願っています。皆様のご来店をお待ちしています。 

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Address >>> Address ／ 3-28-1 B1-3F Jingumae , Shibuya , Tokyo , Japan
BUSINESS HOURS >>> Weekday ／ 12:00-20:00　Sat,Sun,Holiday ／ 11:00-20:00




Photograph : LILY1ST VINTAGE

ラルフローレンのデニムシャツよりも更にヘビーオンスのモデルはコットンドリルクロスが採用されたもの。現代服には無い生地の重さがあり、非常に無骨な１枚。





1960's Dead Stock British Royal Army Cotton Drill Shirt : LILY1ST VINTAGE
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今週末３月３日（土）より東京はＵＮＩＴＥＤ　ＡＲＲＯＷＳ原宿本店からＬＩＬＹ１ＳＴ　ＶＩＮＴＡＧＥ　２０１８年春夏セレクションの販売が始まります。私たちが考える『ヴィンテージ、ユーロヴィンテージ、古着という狭い固定概念に閉鎖されない服』をこのセレクションで表現させて頂きました。デッドストックの服を中心に構成しており、言われなければそれが古着がどうか分からないものも多数あるかと思います。今まで古着やヴィンテージに触れてこなかった方にも過去に点在した美しい服をお楽しみ頂ける事を願っています。皆様のご来店をお待ちしています。


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お得感が素晴らしい！という事で国内ではブランド古着市場が盛り上がりを見せているようだから、古着が古着というだけで抵抗を示されてしまう時代は早々に変わっていくかもしれない。それでもまだまだ古着が古着というだけで不慣れな方にはどんな服も抵抗を示されてしまう傾向。ヴィンテージ服がヴィンテージ服というだけでどんな服もヴィンテージ服の愛好家にしか触れてもらえない傾向。ファッションが好き、服が好きという方の中から古着やヴィンテージが好きだという方を探しても相対的にはせいぜい数パーセントにしかならないのが現実。この２０年ほど、これらの傾向などに対して私は素朴に疑問を感じてきた。世界最高峰のデザイナーたちが秀逸な古着やヴィンテージ服を目敏くサンプリグしてはモードに昇華し、デザイナーのオリジナリティやメゾンの価値ばかりが高まっていく傾向は若い頃の私には歯がゆいものがあった。『サンプリングソース』『作為が入らないオリジナル』『多くの現代服の素』にも触れて欲しいと。

どんな服も好きな人が好きなように楽しめば良いという考えには私も同意だし一切の異論もない。私みたいな名もない者がどうなろうと私自身も構いはしないが、どんなに客観的に見ても機能主義によって生まれたモダンデザインであり、時代や土地の製産背景によって人間の美意識や手仕事による味わいが僅かに混ざった過去の美しい服たちは、これまで古着やヴィンテージ服に触れてこなかった方にももっと触れてもらえる機会が増えても良いのではないかと思う。厳選に厳選を重ねれば結果的にたくさんの服を選ぶ事はできない。そのため速度もなく地道な挑戦で、一見疎かな選択も重ねていくが、私はＬＩＬＹ１ＳＴ　ＶＩＮＴＡＧＥという表現によって古着やヴィンテージ服をもっとたくさんの方に触れて頂けるような取り組みを続けていきたい。


1930's French Brown Linen Mixed Atelier Coat : LILY1ST VINTAGE
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Photograph : Hiroyuki Nakanishi >>> http://nakanishihiroyuki.com

モダンデザインは近代に生まれた合理的・機能的な形態が基となって生まれており、現代人が見ても魅力を感じ生活に自然に取り入れる事のできるもの生活にまつわるものです。これらは現実に時代の淘汰にも強く耐えています。一般的にモダンデザインという言葉が用いられるのは建築や家具や家電や陶磁器など様々ですが、服にモダンデザインという概念が用いられる事はあまり無いと思います。今まで展開してきたセレクションは私が解釈するモダンデザインの服で構成されており、古いものは１００年前、新しいものでもおよそ５０年前に生まれたものが中心となっています。私は『流行＝流れ行くもの』と対極にあるものとして服のモダンデザイン、モダンデザインの服の存在があり得るのではないかと考えています。近代至上主義者とレッテルを貼られてしまう事は避けたいのですが、今ではもはやそれも諦めています。


1970's French Drizzler Blouson : LILY1ST VINTAGE
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先週末１１月２５日（土）より東京はＵＮＩＴＥＤ　ＡＲＲＯＷＳ原宿本店からＬＩＬＹ１ＳＴ　ＶＩＮＴＡＧＥ　２０１７年秋冬セレクション第二回目の納品分の販売が始まりました。私たちが考える『ヴィンテージ、ユーロヴィンテージ、古着という狭い固定概念に閉鎖されない服』をこのセレクションで表現させて頂きました。服、お店を通して皆様と共振できる事を願っています。皆様のご来店をお待ちしています。

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Photograph : Hiroyuki Nakanishi >>> http://nakanishihiroyuki.com

服が生まれた目的それ自体に主義主張があり、服を見ているようでまるでこちらが見られているような服も魅力的です。またこちらがひたすら見ていけば、時間を十分にかけて考えていけば良いという静かな服も魅力的です。それらの多様な動きの中から自然の淘汰は働いていきますが、いつの時代でも私たちの想像力さえ働かせる事ができればどんな服を選んでも良いのだと思います。その上で、これを着れば誰でも格好良くなれる美しくなれるなどという服が存在しない時代故に、人間の想像力を投影できるだけの余白を持つ服、人間の想像力で完結させていくような服との出会いが自分の内的な豊かさと求める美を築くためには重要なものになっていくのではないかとここでは仮定しています。





1970's Swedish Military Big Pockets Coat : LILY1ST VINTAGE
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Photograph : Hiroyuki Nakanishi >>> http://nakanishihiroyuki.com

時間の淘汰に耐え抜いているアノニマスウェアは着れば着る程に服に対しての発見があり、このような発見は人間の審美眼にも影響を与えてくれます。美しい発見を重ねていく事は私たちの目に映っている様々なものに対する発見力だってきっと磨いていくはずです。毎日違う服を着てお洒落をするのもの楽しい事ですが、シーズン毎にたった一着のお気に入りとの出会いがあるだけでも季節や季節感を楽しむにはとても贅沢な事ではないでしょうか。同じ服を何度も何度も着て、何度も何度も対象に対する解釈を繰り返して、これはきっとこういう事なのかなと、受け売りではない自分だけの翻訳をする。この翻訳を重ねていく事でその一着に対する私たちの愛情も深まっていく事と思います。服とは『唯の物』という存在なのでは無く、着用者の審美眼や翻訳によって輝きを変化させる観念的なものだと思うのです。『恋すると女性は綺麗になる』という現象に科学的根拠があるように、『恋すると服　ー服の場合には愛される服と言っても良いー　は綺麗になる』という現象にもいつか科学的根拠が発見されるはずです。アブナイ仮定ではありますが。





2005's Dead Stock French Military Water Proof Gore-Tex Blouson : LILY1ST VINTAGE
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Photograph : Hiroyuki Nakanishi >>> http://nakanishihiroyuki.com

1992年に旗艦店としてオープンしてから25年、ユナイテッドアローズ原宿本店が新たにメンズとウィメンズを現メンズ館へ統合し、コンセプトに”ＵＮＩＴＥＤＡＲＲＯＷＳＯＮＥ”（ユナイテッドアローズワン）"を掲げ生まれ変わります。リニューアルオープンとなる９月７日（木）よりこの店舗で新たにＬＩＬＹ１ＳＴ　ＶＩＮＴＧＡＥを展開頂く運びとなりましたのでご案内します。

昨年ＬＩＬＹ１ＳＴ　ＶＩＮＴＧＡＥが森岡書店銀座店で写真家中西博之と共同開催したイベントでユナイテッドアローズに在籍する一人のデザイナーと出会った事がきかっけとなり、初めの出会いから取り組み開始までに費やした時間はおよそ一年に及びました。個人と個人の人間的なやり取りが根底にあり、初めてこのような運びが実現したものと思います。時間を掛けた厳選を経て、今回販売開始となるＬＩＬＹ１ＳＴ　ＶＩＮＴＡＧＥ　２０１７年秋冬セレクションは１２着の男性服によるものとなりました。男性のワードローブに対して私たちが根本的に考える理想の断片をセレクションで表現しています。誰か有名なデザイナーが生み出したものではない無銘の美しい服に対して、現代に生きる皆様の審美眼で何かしらの服の価値を見出して頂ける事を心から願っています。皆様のご来店をお待ちしています。

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