Thursday 21 December 2017

Dont 's Let Him Go to Inside of Museum

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その服が美術館に入ってしまう瞬間に、良くも悪くもそれは歴史の中に置かれてしまい、多くの現代人からは『そのようなもの』あるいは『そのような偉大なもの』として受け取られてしまう事になる。美術館に入ったものだからとても良いものだと決めつけられてしまい、時には美学と無縁のものまでが賞賛される事にもなる。歴史に触れられる機会が多くの人に増えていく事は良い事なのかもしれないが、美術館に保存されるものがその時代で最も美しいものだとは限らない。

何故なら美しい物は当時やまた後世のおいて人の生活の中で活用されて消耗していき、保存や鑑賞される事が第1の目的のものではあり得ないからだ。私は服の着用者の想像者、創造者としての側面を信じる。服の作り手は服を作る。また服の着用者の実用、想像という介入によって服の作り手は認識される。そうやって服は後世に残る事になる。この意味で服の着用者も何かを創造する重要性を担っている。この事実はどちらか片方だけではなく両者によって初めて生まれると思う。私は服を作る者と服を着る者が同じように重要になるような、そんな服を選んでいきたい。無銘だとしても人の生活や時代の要求から生まれてきた美しい服たち。





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Photograph : Hiroyuki Nakanishi >>> http://nakanishihiroyuki.com